論 文
教育は人なりと言われるように、教育の成否は、児童の教育に携わる教師の資質能力によるところが極めて大きい。また、教師の人間性、話し方、表情、児童との接し方などの一つ一つが、児童の人格形成に影響を与えると言っても過言ではないと考える。このことを踏まえて、教師にはコミュニケーション能力や豊かな人間性など多様な資質能力が求められるが、その中でも特に求められているのは「教科指導能力」であると私は考える。なぜなら、子どもとの一番関わりが多い時間が授業であり、それをとおして子どもの学力、人間性などを育てていくことが教師の使命だからである。私は「教科指導能力」を身に付けるために以下の努力を行う。
まず第一に、児童のつまずきや実態を把握するために、児童理解に努める。具体的には、授業中の子どもの様子や反応をよく観察したり、児童のレディネスを把握するために、単元の始めや途中に小テストを実施し、それとともに、指導方法や教材の工夫をしていく。また、児童一人一人を多面的に理解できるように、プリントや作品などを一人一人ファイルに綴じて、児童の成長の足跡が残るようにポートフォリオ評価を積極的に取り入れていく。その中で児童自身も自分を振り返りながら、私は成長したところをしっかりと褒め児童の自信に変えていくようにする。
第二に、自らの専門性を高め、児童に学ぶ意欲を持たせる。私は、小学校教員免許とは別に中学校・高等学校の理科一種の免許を持っており、二年間高等学校で講師をした経験がある。私は、自然科学の魅力にひかれ、これまでにも多くの書物や大学の講義を受けて学んできた。この経験を生かして、児童に自然科学の魅力を観察・実験などを通して伝えていきたい。例えば、電気の単元の終わりに豆電球と導線、乾電池、くぎなど身近な材料を使ってテスターなどのものづくりを行い、児童の興味・関心を喚起させていく。実験をしているときや成功したときの児童のいきいきとした姿を、私はこれからも特に大切にしていきたい。そのために、さらに書物を読んだり、研修にも積極的に参加しながら、学んできたことを児童に伝えていきたい。同様に、他の教科に関しても指導方法や専門的なことを、私は学び続けるよう努力する。
児童の成長に欠かせないのが教師の支援の在り方である。学力や心の面で児童が日々成長しているように、私は、教科指導能力だけではなく多様な資質能力を身に付けるために、研究と修養に努めていく覚悟である。 |
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添 削 欄
導入がすばらしい。また、教師としての構え、資質の本質をきちんと捉えている。特に、多様な資質能力という述べ方、その中で、論題に対応した「教科指導能力」へのつなぎ方、その理由の述べ方等読み手を納得させる。
この視点はよいが・・・(児童理解という)この場合、教科面の理解のみではなく児童の内面に触れる。個に対するアプローチを意識した論述があれば、貴方の人間性がさらに深まると思われる。
〜自分を振り返り自己評価を行って行く。
その過程で私は児童の伸長を認め自分に自信を持つよう促していく。
この一行には、児童の内面に迫った文言があらわれています。
※実体験を入れた論述は個性が出て効果的である。
序論の「人間性を育てる」と対応した一文
伝えていきたい。→伝えていこうと思う。
※〜たい。(希望)
結論でよく使う手法ではあるが、自分の決意を述べる場合、努力する。のように、しっかり自分の意思を出したり、断定した方がいい。
※結論について、もっていきかた良し、ここに心の面という表現があるが、この論文に、その交流が述べられていれば、さらに資質に迫った論述になったであろうと思われる。 |