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モルヒネ鎮痛

1805年から1817年にかけてドイツのゼルチュナーがアヘンからモルヒネの単離に成功してから、薬草からの主成分が単離される。

ベラドンナからアトロピン、キナからキニーネ、コカからコカイン。
コカインも初め娯楽に使われていた。コカインが舌や唇をしびれされることに眼をつけたのが眼科医カール・コラー。局所麻酔薬の発見となる。
1884年9月15日このコカインの局所麻酔効果はハイデルベルグ眼科学会で発表された。

飯塚修三氏の眼科雑誌への投稿から抜粋

シーボルトは在日期間中(1823−1829)弟子たちに西洋医学を伝授し、いくつかの薬箱を与えた。特に眼科において散瞳薬を紹介し、眼科手術に多大なる貢献をした。

シーボルトの眼科処方が残されている。

           ベラドンナエキス 1/2スペクトル

           アヘンチンキ XX

           塩酸重土 1スペクトル(13g)

           ローズ水またはカミツレ水 4オンス

               (1日3回点眼)   フォン シーボルト

           

日本の植物標本を見せてもらったシーボルトは散瞳植物を見つけたと思われる。それはハシリドコロという多年草であった。これより散瞳薬を用いた白内障手術は著しい発展をとげる。

シーボルト記念館にある点眼瓶が2001年3月13日調査される。170年経過している点眼瓶の中身がクロマトグラフィーにより分析された。シーボルトの点眼瓶が欧州産か日本産かはスコポラミンの有無にある。スコポラミンが検出されれば日本産のハシリドコロ、検出されなければ、シーボルトが持参したベラドンナ。この結果この点眼瓶はシーボルトが持参したベラドンナであることが判明した。

真実は追認されるものである。また科学的に証明されなければならない。元となる書物なりは、検証されなければならない。それをしないといたずらに世のなかを騒がすだけになります。