戸塚パルソ通信@メール 第155号
戸塚宿を行く(地域逍遥)
vol068-03
戸塚の伝説酒湧池
日本各地に存在する養老伝説。戸塚地域(現在は泉区)にも酒湧池があります。
■酒湧池の伝説が残る泉区の第六天神社




各地に残る養老伝説。泉区の酒湧池も例に漏れず、貧しい親子がおり、親にお酒を飲ませたいと願う子供が「酒」の湧く泉を見つける、という親孝行を賛美する内容です。
ここの養老伝説が少し異質なのは、それを聞きつけた欲深者が、酒湧池の「酒」を汲んで儲けようと企むものの、いざ商売を始めると、その酒は全て水に戻ってしまい、詐欺師とされて酷い目に遭う、というオチがついていることです。
山中で酒を発見するのは、猿酒とも言われる、果実の自然発酵した「天然ワイン」のことかとも思います。その偶然を親孝行と結びつけ、それを殿様が褒めて、褒美を与えて大団円、というのが通常のパターンですが、「商売」という貨幣経済の概念があったり、それに勧善懲悪を結びつけるなど、かなり近代になってからのアレンジが加えられていると考えて良いでしょう。
と、なると、ここで湧いたとされる「酒」は、実際のアルコール類の発見ではなく、何かの暗示とも思えます。それを想像するのも良いかもしれません。
■酒湧池












