戸塚パルソ通信@メール 第156号
戸塚宿を行く(地域逍遥)
vol073
戸塚の伝説影取・鉄砲宿の大蛇伝説
東海道の影取町・鉄砲宿にまつわる大蛇伝説
■「人の影」を食らう大蛇
旧東海道沿いにある、影取町とバス停の名前にもなっている鉄砲宿は、戸塚に伝わる大蛇伝説が関係しています。
ある長者が大蛇をペットとして飼っていました。
しかし、家が没落して、大蛇の餌を用意することがままならなくなり、近くに池に捨てたとも、大蛇が自ら身を引いて池に去ったとも言われました。
池に去った大蛇は、東海道を通る旅人の「影」を取って食うようになります。
「影」を食われた旅人は衰弱し、旅を続けることもままならず、中には命を落とすものまで出ます。
そのため、池は「影取池」と呼ばれるようになり、池の付近には人が近寄ることができなくなり、大層困りました。
そこで猟師が大蛇退治にゆくことになり、鉄砲で大蛇を仕留めます。
後にその場所は、鉄砲宿と呼ばれるようになったのでした。

大蛇退治の伝説は、全国にありますが、戸塚の大蛇伝説はかなり毛色が違います。
通常、大蛇は山や池の主として、最初から自然の暴威として登場することが多いのですが、影取池の大蛇は、元々ペットだったものが飼いきれなくなって放逐されたという、近年のペット放棄問題にも通じるものがあります。
ペットですから、「おはん」という名前まであります。
人間を襲っても丸呑みするのではなく「影(エネルギー?)」だけを取るのも異質です。
猟師がやってきても死闘を繰り広げるのではなく、ひっそりと隠れてしまいます。
そこで猟師が「おはん」と呼びかけ、飼い主がやってきたと思って姿を現し、撃たれてしまうのが、哀れを誘います。
※ペットを飼ったら、最後まで責任を持ちましょう!
■諏訪神社(影取池跡)












