パルちゃんのおしゃべり大好き
「戸塚パルソ振興会・栗田会長」篇
突撃インタビュー企画!!
東北復興支援パネル展・現地物産即売会に
おじゃましてきました。
東北復興支援パネル展・現地物産即売会におじゃましてきました】
平成24年9月5日(水)〜7日(金)の三日間、11:00〜20:00「西口バスセンター下・戸塚パルソ西通り側通路」を会場に「東北復興支援パネル展・現地物産即売会」が開催されました。一般社団法人 希望の環の小倉伸太郎さんと、戸塚パルソ振興会会長栗田昭義さんにお話を伺いました。
○希望の環とは。
東日本大震災で大きな打撃を受けた石巻、女川の事業者が中心となり、復興に向けた"希望"をつないで行こう、と立ち上がった団体です。
震災直後、がれきや泥の中から掘り出した鯨の缶詰をボランティアたちが丁寧に洗い「希望の缶詰」として販売したことが話題になりました。それも希望の環の活動の一つです。
現在は、生産者、小売店、消費者などのネットワークを通じて、被災地の"希望"を広げて行くための活動を行っています。
○「東北復興支援パネル展・現地物産即売会」開催までのあらまし
希望の環の皆さんは、震災以来、多くの方から受けたご支援への感謝を伝える場、そして、発生から一年半経っても、まだまだ復興への道のりが遠い、現地の様子を知らせる場を探していらっしゃいました。
様々なルートを経て、協力の依頼を受けた戸塚パルソ振興会は、協力を快諾。関係各所と協力して、開催にこぎ着けました。
○訪問日時:平成24年9月5日(水) 11:00。
初日の開始直後にお邪魔しました。お昼前にも関わらず、多くのお客様がパネル展と現地物産即売会に目を向けていらっしゃいました。販売員は、ボランティアの大学生が頑張っています。一生懸命、お客様に声をかけ、商品や写真を説明をしていました。
栗田会長・小倉さんに伺いました。
パルちゃん:パネルを見ると、当時の様子が思い出されます。
栗田会長:今年の春にボランティアに行った人が驚いていました。ぜんぜん復興が進んでいなくて「一年たってこれか」という状況だったそうです。
パルちゃん:まだ、これからの支援が必要なんですね。
小倉さん:一年半たちましたが、復興はなかなか進みません。石巻や女川では雇用できる場所が増えないままです。でも、休業補償や失業手当もだんだん打ち切られていって、収入が厳しくなっている人が出てきています。現地に仕事がないままだと、故郷を離れざるを得ません。"希望の環"は、少しでも物を売って、仕事をつくってゆこうと活動しています。津波などの被害で失った生産設備も元に戻っていませんけれど、元に戻るまでただ待っていられません。出来る範囲の中で、どれだけおいしいものを作れるか。毎日、知恵を絞っています。
パルちゃん:話題になった「希望の缶詰」は、希望の環さんの活動だったそうですね。
小倉さん:震災当初ボランティアの方々が一つ一つ泥を落として、何とか売れる状態にして、販売してくれました。その利益のおかげで、材料を仕入れることが出来て、また缶詰の生産を開始することが出来ました。ボランティアの皆さん、買ってくれた皆さんのおかげで出来た缶詰なので、今回は「感謝の缶詰」と名づけました。私たちの気持ちと一緒にお届けしたいと思っています。
パルちゃん:希望から感謝が生まれたんですね。
小倉さん:こんなエピソードがあります。石巻の現地工場が被災したかつおぶし店が、東京のショップを閉めて、現地に戻りました。もう都内での営業は無理だろうということで、閉店のご案内をシャッターに貼り出したのですが、しばらくしてショップの大家さんから、写真がメールで届きます。閉店のお知らせの周りにびっしりと「応援します」「戻ってきてください」というメッセージが書き込まれ、張られていたのです。いただいたメッセージのすべてが、その店にとっての"希望"です。そのメッセージを商品のパッケージにした商品は"希望のかつおぶし"と名付けられました。希望と、感謝をあらわした商品なんです。
パルちゃん:皆さんの気持ちがすごく伝わります。
小倉さん:震災直後は、各地からのご支援もあり、我々も気が張っていたのでなんとか乗り切ることが出来ました。でも、一年が過ぎて、復興がなかなか進まない現実が見えてきます。ご支援も減り、あと、亡くした家族の一周忌という節目をきっかけに、気が抜けてしまうというんでしょうか。最近問題になっているのが、自殺です。将来が見えない。そんな今だからこそ、希望が必要なんです。希望を少しでも示して、広げて行くことが必要なんです。
パルちゃん:希望を広げて行くことが必要、ということですが。
小倉さん:将来の展望や、色々な方とのつながりを実感することですね。こういったパネル展や販売会も地道な活動ですが、本当に大切なことです。
パルちゃん:今回、戸塚パルソ振興会は、すごいスピード感でこのイベントを実現したと伺いましたけれど。
小倉さん:戸塚パルソさんが会場を提供していただけると聞いて、初めてお打ち合わせした時に「出来れば学生たちが休みのうちの、9月頭には開催したいのですが」とお願いしました。ただ、公共道路の使用にはいろいろな手続きと時間が必要なことはわかっていたので、時間的にかなり無理を申し上げていることは承知していました。そうしたら会長が「よし、やりましょう」と、言っていただけたのでびっくりしました。
栗田会長:かなりタイトだとは思いましたけれど、せっかくやるんですから、ご希望に沿いたいじゃないですか。近隣のみなさんや市の関係各所、そして警察をばーっと回って、交渉しました。企画書を出す時には、小倉さんにチェックしてもらわないといけない内容もあるので、「すぐに返事して」とメールでやり取りして。
小倉さん:お忙しい中、夜中の2時や3時にメールが送られて来るんです。私もなぜか起きていて(笑)、すぐにチェックしてお返しして、そんな繰り返しで、今回の開催にこぎ着けました。
栗田会長:幸い、とつか青空画廊など、何回かの活動で、許可申請のやり方などを、ある程度わかっていたのがよかったのかもしれません。公的な書類は複数回やり取りするのが普通ですが、今回は一回でOKをもらうことが出来ました。一番大変だったのは、開催時間を夜の20:00までに設定したことでしょうか。「なぜそんな夜遅くまでやる必要があるんだ」というのですが、多くの人に知ってもらうには、会社員のみなさんの帰宅時間に合わせないといけません。すると、それくらいまで時間を延ばさないといけないんです、ということを、ご理解いただきました。
パルちゃん:栗田会長のその熱意の元は、なんなのでしょう?
栗田会長:震災直後に、ボランティアに現地に入ったことかもしれません。言葉にできないような衝撃でした。それ以来、どうしても、他人事とは思えないんです。
パルちゃん:小倉さんと栗田会長、絶妙のやり取りですけれど、そのころからのお知り合いなのですか?
栗田会長:いえ、今回のお話をいただいてからのご縁です。
小倉さん:でも、そう言われれば、初めてお会いしたときから、すんなりとお話が出来た気がします。前から知っていた感じといわれれば、そうかもしれません。不思議なものですね。
○お話を伺っている最中、トツカーナの浅井鮮魚さんが「暑い中がんばっているので、これで飲み物でも冷やして下さい」と、氷を入れた保冷箱を差し入れて下さいました。パルソとトツカーナ。施設の姿は変わっても、昔と変わらない、商店街のつながりです。
小倉さん:栗田会長のような方とお会いできたことは本当に幸運でした。震災への関心が薄れる一方で、一部の曲解された報道だとか、支援とは名ばかりの便乗商法もあって、「震災支援」に対する目が厳しくなっている現実があります。「もう一年半も経った」という声がありますが、「一年半経っても、まだ、これだけしか進んでいない」という現実もあります。地元の我々が、今、どういう状況に置かれているのか、直接知っていただける機会はとても貴重です。その機会に私たちの"希望と感謝"をみなさんに届けて「"希望の環"石巻・女川は応援のしがいがある」と思っていただけることが私たちの仕事です。ご支援に対しては、ほんとうにおいしいものをお届けして喜んでいただくことがお礼だと考えています。
パルちゃん:ありがとうございました。
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