戸塚パルソ通信@メール 第28号
☆5周年記念☆ パルちゃんのおしゃべり大好き特別編
2015年4月
鞄があれば、世界中どこにだって行ける。聞き鞄(かばん屋):サトウトモヱさん
戸塚に生まれ育ち、奇しくも、戸塚パルソと歩みを同じくして活躍の場を広げて来たという「聞き鞄(かばん屋)」こと、サトウトモヱさんに、この5年間についてお話を伺いました。
パルちゃん:サトウトモヱさんは、戸塚で生まれ育って、椅子職人のおじいさまの工房が遊び場だったと伺いました。パルソが誕生した戸塚西口の再開発には、いろんな思いがあったのではないですか?
サトウトモヱさん:再開発が、子供と大人の境目になった、というイメージがあります。私が“かばんの会”を始めたのが2011年で、「かばん屋」としての私の始まりと成長が、西口再開発のそれとシンクロしている気がします。
パルちゃん:この5年間で、サトウさんはどう“成長”されましたか?
サトウトモヱさん:たくましくなりました(笑)自然素材である、革と付き合っているうちに、自分のからだの欲求をしっかり感じられるようになりました。「眠い」「おなかが空いた」という感覚に、OL時代は鈍感だった気がします。自然の欲求を自覚できるようになったんです。
パルちゃん:へえ〜〜?
サトウトモヱさん:作品には、自分の体調や感情が反映されてしまいます。気分が優れないと、良い作品が出来ません。しっかり体調を整えて、いつもいい気分で作品に取りかかるために、自分のからだが欲しがっているものを感じ取るのは大切なんです。
パルちゃん:サトウさんは昨年(2014年)ドイツ、ハンブルグのコンベンションに日本人で唯一参加されたそうですね。
サトウトモヱさん:ドイツには、師匠がいるので。その方のお陰で、自分の鞄職人としての姿勢や考え方がはっきりしました。
パルちゃん:サトウさんにとって、かばんって、どういうものなんでしょう?
サトウトモヱさん:「場に縛られない旅のために欠かせないもの」ですね。かばんがあれば、自由に行くことが出来ます。
子どもの頃は、街を歩いていると「どこか旅行に行くの?」「旅行の帰り?」と、よく声をかけられました。それくらい大きなかばんを持って歩いていたんです。「かばんの中に荷物があれば、世界中どこだって行ける」と、安心できたんです。
「大切なものをかばんに入れて持ち歩いていれば、遠くに居ても大切な場所から切り離されない、距離が離れても大丈夫」と。
パルちゃん:かばん一つで世界中を歩く、なんて、寅さんみたいですね。
サトウトモヱさん:そうですね(笑)。祖父が「男はつらいよ」が大好きで、小さい時、一緒に映画館に行ってました。
パルちゃん:寅さんって、柴又に帰って来ては、トランク一つを持って、飛び出して行くんですよね。
サトウトモヱさん:そして、必ずまた帰って来る。あの感じは似ているかもしれません。
パルちゃん:改めて、この5年間の戸塚を振り返って、どうですか?
サトウトモヱさん:東日本大震災があったことを含め、個人的にも、日本人の考え方にも、大きな影響があった期間だと思います。
戸塚についていえば、昔ながらの場所や人がしっかり残っている一方、パルソのような新しい居場所が出来、新しく移り住んでくる人も増えています。
パルちゃん:それによって、戸塚が変わってゆくと?
サトウトモヱさん:そうですね。変わるというより“混ざる”場所になって欲しいと思います。今までの戸塚にあったもの、これから戸塚に作られたり、持ち込まれたりするもの、それらが尊重し合い、混ざり合って共存する、そんな戸塚になって欲しいですね。
パルちゃん:ありがとうございました。
○かばんの会
オーガニックでリラックスできるカフェと、サトウトモヱさんがコラボレーションして開催する展示会。
カフェで行うのは、「素敵な場所の記憶と一緒に鞄を覚えていて欲しいから」とのこと。戸塚パルソのカフェ&フラワーショップ「たねや」でも年に数回、開催されています。
展示会の他、サトウトモヱさんが革製品の加工を指導するワークショップが開催されることもあります。
詳しくは、聞き鞄ウエブサイトの
かばんの会・ワークショップ情報 をご覧ください。
○カフェ&フラワーショップ たねや