モナリザ ルーベンス














  モナリザの絵の女性は24歳のフィレンツエ女性、ジョコンド夫人と言われています。 彼女の妊娠説は古来多くの医師が指摘しているところです。 産婦人科では「女を見れば妊娠と思え」と教えられます。 確かに顔の丸み、のどのふくらみ、胸の大きさ、両手のふくらみなどに妊娠の兆候が見て取れます。 手の位置は妊婦が座るとき楽なようになる姿勢です。 モナリザの絵が良いか悪いか、好きか嫌いか、なぜ良いのかを論じた説の中で、私が好きなものは「見慣れるからだ」という説です。 音楽も何度も聴いていると、そこそこいい音楽であれば、「これは聴いた事がある、いい曲だ」となってきます。 絵も何度も見ていると、これは「見たことがある、いい絵だ」となります。 展覧会で多く人の絵を見るより、個展なんかで一人の作品を見るほうが、いい絵と感じるのも、ひとりの個性をその場で見慣れるためかもしれません

 
「フランダースの犬」の「ネロ」と「パトラッシュ」の話は英国の女流作家ウィーダが書いたもので、大正時代に日本に紹介されました。 フランダース地方では、「フランダースの犬」を知る人はなかったそうです。 本の中に書いてある「牛乳市場通り」という地名がアントワープ大聖堂の裏にあることを見つけ、いろいろ推理の上、ネロの住んでいた村は、ホボケンという村をモデルにしたのであろうと突き止められたということです。 ネロの見たかった絵はルーベンスの「キリスト降架」で大聖堂にあります。
 ルーベンスは慢性関節リュウマチであったそうです。「愛の園」にルーベンスが女性の腰に手を回している絵がありますが、その手に「スワンネック変形」、「ボタン穴変形」がみられます。 ルーベンスの素描にも、いくつか見られるということなので調べましたが、デフォルメかという眼でみれば、わからないかもと思いました。 これらの絵は歴史上初の慢性関節リュウマチを示唆したものとされています。 ルーベンスは関節の痛みとこわばりに耐えながら多くの絵を描いたと思われます。

                                                「愛の園」 プラド美術館