八雲は強度の近視でありました。 強度近視では網膜剥離を起こしやすい網膜変性が存在していることがあります。 また、眼球打撲はボクシングなどでもわかりますように網膜剥離を起こすことがあります。
1918年スイスのジュウル・ゴナンが網膜に出来る穴が網膜剥離の原因と発表しました。しかし、1929年のアムステルダムの国際学会までそれを信じる人は少なかったと記載されています。 その後網膜復位術が徐々に行われるようになりました。 網膜復位術に網膜裂孔閉鎖を行ないますが、そのためにはいろいろな方法がとられています。 また剥離になる前に飛蚊症などで来られた患者さんに網膜裂孔が見つかり、レーザー治療が行なわれます。
1866年に八雲は左目失明しています、それまでは不治の病であったのです。 近年、硝子体手術の進歩もあり網膜剥離の手術は治癒率は非常に高くなっています。 しかしながら、手術前に患者さんに絶対直ると言い切れない難しい手術のひとつです。 最近、近視の手術が盛んになっていますが、短所も大きいことを知っていただきたいと思います。 私は近視手術について日本眼科学会の定める規定以外はやるべきでないと考えます。
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