チャップリン



チャップリンの「街の灯」という映画はトーキーとしては最高のお話ではないかと思います。



 盲目の少女と暮らし、彼女の目の手術のためにお金を盗む(本当はもらったのですが)チャップリンは牢屋に入れられ刑期を終えた後、街を歩いている。 すると手術を終え眼の見える少女が花屋さんで楽しそうに働いている。 乞食の格好を恥じてチャップリンは気づかれないように通り過ぎようとします。 「待って、お花をあげるわ」、微笑みながら少女。 断りますが少女は近づいてお花を渡す、そのとき手に触れ、はっとして肩、そして顔に手をやり「あなただったのね」チャップリンは、はにかんだ顔でうなづく。 このお話はその後どうなるのでしょう。 それはさておき心にジンとくる映画です。



 ところで少女の眼の病気は何であったのでしょう。 盲目の少女が手術によって見えるようになるのは不可能です。 光覚、手動弁くらいはあったのなら、角膜移植、または白内障手術が考えられます。
1932年の映画ですので、嚢外摘出術が考えられますが、その手術の後は厚い凸レンズをかけねばなりません(盲目の少女が見えるようになるお話はアンゼルセンの即興詩人にもでてきます)。  眼科的にはこのあたりは話の腰をおるようですが不思議なお話となります。