国立近代美術館  
「荻原守衛の文覚」
                                                                                                                        2007/1/17
 

荻原守衛
(おぎわらもりえ)
碌山
(1880−1911)

国立近代美術館を訪れたました。
2時から学芸員による作品についてのトークがあり、その解説で初めて「文覚」を知りました。
「この彫刻にあらわされた人はどういう人だと思いますか?」「お坊さんではないかと思います」
「筋肉隆々、普通のお坊さんではないですね」
こんな会話の後、文覚についての説明がありました。



碌山「文覚」

文覚はもともと武士でありました。あるとき同僚の渡辺亘(わたる)の妻・袈裟御前と不倫の関係になってしまいます。「夫と別れて自分と一緒になれ」と女にせまりますが、女は「夜忍び込み夫を殺してくれ」と言います。忍び込んで首を掻き切ったところ愛する女でありました。
文覚はその後出家し坊主になるというお話です。
(文覚は源頼朝に平家討伐の決起を促したことでも有名。
http://www3.ocn.ne.jp/~mh23/heike66.htm

その後荻原守衛の中村屋の「黒光」への思いと連なるのではないかという話になり、この文覚の斜め後ろにある「女」へと話題が移りました。

 

インターネットから探した以下の文章が素敵だと思います。

原が思慕を寄せていた中村屋の女主人相馬良(黒光)の子供たちは完成作を見て「カアサンだ」と叫んだというエピソードが残っており、黒光は彼の死後これは自分自身だと直覚したという。この作品は黒光に仮託された荻原の普遍的な女性像の象徴の実現となったが、後ろ手で膝を付き上方を見上げる姿勢は、因習に囚われ解放を望みながら悩む明治の女性像とも読み取れる。(K.T.)
http://www.momat.go.jp/Crossing/SAKUHIN/TO115.html


参考 : 碌山美術館のHPより http://www.rokuzan.jp/