本文へスキップ
医学と芸術の旅

パンテオン

フランスが好きな理由は、ドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」が示すように、人が自由に生きる革命を見ることが出来るからだと思います。

友人のエリックのアパルトマントの近くのバスチューユ牢獄跡地に記念塔があり、そこを取り囲む形でカフェがありますが、そこで、1789年の時代に思いをはせてビールを傾けます。

人は自分らしく生きるために存在する、そのための戦いが見られる国であると思います。 絵画にしても私なりに思うのですが、画家が人間として絵を描き始めたのはこの国この時代ではなかったかと思います。
フランス革命でミラボー、ラファイエット、ダントン、マラー、ロベスピエールに続きナポレオン、パリコミューンなど共和制にいたるまでの道のりは人類の目覚めを見るようです。


今回パンテオンを訪れました。「フランスに尽くした人」に対してある建物です。 自然に帰れのジャン・ジャック・ルソー、ボルテール、ヴィクトル・ユーゴー、ゾラ。そしてマラー。彼はスコットランドのセント・アンドルース医科大学卒業生であり、湿疹のかゆみを和らげるためお風呂に入っていたところを殺される。殺したのはシャルロッテ。彼女はジロンド派のシンパ。


2004年9月の朝日新聞に、『華氏911」ムーア監督インタビュー』−−−最愛ブッシュに首相は似てきた−−−という記事に「何が若い医学生を革命家ゲバラに変身させたのか。23歳の時の南米縦断バイク旅行で、貧しく虐げられた人々を助けた経験が、彼の方向を決めた『種』だった。それを描きたかった」。東大紛争の話を書いたことがありますが、医学部に端を発し全国に広がって行きました。団塊の世代の思想はまさにこのとき発生したと思います。悲しいかな、日本には「お上」に勝った歴史がありません。しかし、結局少子化や価値の多様化により、「お上」の決めた教育制度、社会の仕組みが革命によらず変わっていくようです。