戸塚パルソ通信@メール 第143号
戸塚宿を行く(地域逍遥)
vol068-2
戸塚の滝まさかりが淵
■まさかりが淵
市民の森の中に圧倒的な存在感を示す、まさかりが淵の滝です。
■伝説を今に残す、まさかりが淵(鉞が淵)
まさかりが淵は、周囲を含めた市民の森として、豊かな自然が残っています。
また、ここに残る説話は、隔離世伝説、今で言えば異世界転移の原型というべきものです。
■まさかりが淵伝説
ある時、この淵に、まさかりを落としてしまった男がいた。淵の中から大変美しい女が現れ、まさかりをすくい上げてくれたが、自分に会ったことは誰にも教えるなという。もし口外すれば、命はないと念を押され、了承して家に帰ると、なんと2年もの月日が経っており、男はすでに死んだものと考えられていた。
初めは何も話さなかった男だが、母親があまりしつこく尋ねるものだから、うっかり、美しい女に会ったことを話してしまう。すると、そのまま男は死んでしまった。
まさかりが淵の説話はこの他にも色々なバージョンがあります。男は名無しであったり、「さきやま」や「彦八」という名前になっていることもあります。
まさかりが淵に現れた女性は、正体不詳の場合もあれば、淵の主であると名乗ったり、さらには悪竜に苦しめられていると懇願したりするバージョンもあります。
おそらくは、語り継がれている内に、色々と装飾されていったと思われます。初めの話は、まさかりが淵の女は何者なのか、なぜ口外すると死ななければいけないのか、なぜたった1日が3年も経ってたのか、全てが謎だったのではないでしょうか。
大自然に潜む怪異が、垣間見えるようなお話です。
上の石碑は、「彦八の供養塔」と伝わるものです。かつては墓地の中にありましたが、まさかりが淵へ移転されたものと言われます。
■まさかりが淵市民の森
自然の地形を残し、山や谷、川に親しめる環境になっています。
一番高い地点からは、広く視界が開けています。
■まさかりが淵の滝