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戸塚パルソ通信@メール 第32号

戸塚宿を行く

vol.011-02

全国百八十八札所総拝霊場【田谷の洞窟】2

「田谷の洞窟」として知られる田谷山瑜伽洞にお邪魔してきました。

洞窟の入口に向かうと、中からひんやりとした風が吹いてきました。どこの洞窟もそうですが、一年中ほとんど気温が変化しないので、夏は涼しく、冬温かいと言われていますね。

洞窟の入口で、いただいたろうそくに火をつけ、洞内に向かいます。
洞内は撮影禁止なので映像はありません。さて、どれだけ言葉で内容をお伝えできるでしょうか。

総延長1kmに及ぶこちらの洞窟は、内部に「本尊一願弘法大師」の他、四国八十八ヶ所、西国三十三ヶ所、坂東三十三ヶ所、秩父三十四ヶ所の百八十八に及ぶ札所の本尊、両界曼荼羅、十八羅漢、五大明王など、とても一生では回りきれないような数の仏様が勧請されています。

内部の照明は思ったよりも明るく、足元の不安はあまりありません。ただ、ふと気を抜くとろうそくの火が消えそうになってハラハラしました。ろうそくが消えても真っ暗にはなりませんから、その点は安心なのですが、なんとなく「消してはいけない」という気持ちにさせられました。

内部の彫像の中で、一番気になったのは「三つ蝙蝠(こうもり)」という天井彫刻でした。筆者の勉強不足と思いますが、仏像をおまつりする場所で蝙蝠の絵や彫像を見たのは初めてでした。昔は多くの蝙蝠が住んでいたであろう田谷の洞窟。仏師が先住者に敬意を表して彫ったのでしょうか。

洞内を進むと、寒くはないのに、息が白くなっているのに気がつきます。湿度がかなり高いのでしょう。けれど不快指数はあまり高くないように感じます。

四国八十八ヶ所霊場(阿波)の場では月天通風口という穴があり、そこを覗くと、階下が見下ろせます。三日月状の穴で、下の洞窟と繋げてあるのです。順路を進むと、その下の通路に出るので、そこからは「月を見上げる」形になります。月を通して、上階の天井図まで見上げると、相当な高さになり、地中にいるにもかかわらず、壮大な天空の広さを感じるのです。その技術力とアートな視点にしばらく立ち止まってしまいました。

その他にも表現しきれないような素晴らしい仏像を拝みつつ、洞内をぐるりと一周。

高野山奥の院の場に近づくと、ちょろちょろと水音が響きます。
弘法大師像の隣から「金剛水」という水が涌き出していて、この水で患部をさすると良くなる御利益があるとか。
続く音無川の場は、一転して鏡のように静まり返った水面の上に、十八羅漢の彫刻が静かに鎮座しています。
再び地上に出た時、「さっぱりとした感覚」があり、とてもすっきりしたいい気分になったのは、このお洞の御利益でしょうか。

今回お伝えした内容は、田谷の洞窟のほんの一部分でしかありません。実際に足を運んで、その目で確かめることをお勧めします。

田谷の洞窟を含む緑地帯を望む

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■田谷の洞窟(定泉寺)

  • 神奈川県横浜市栄区田谷町1501
    拝観時間:9:00〜16:30(16:00受付終了)
    拝観志納金:大人400円・中高生200円・小学生100円(保護者同伴のみ受付)