白矢
擦過性とは心に残ってしまったものが後で出てくるものと思います。角膜にたとえば傷が出来るとします。頭を打ったとします。そのとき治療して治っても数ヶ月または数年後にまた傷が同じところに出来痛み出します。木の葉や爪で傷がついた時小さな傷でも治療を始める前に洗うことにしています。微細な異物を残したまま、見た目にはきれいに治る、ところが実はこのために治らないのではと考えているからです。心に残る小さな傷も治ったように見えて治っていない、それがずーっと人生に影響を与えてくるかもしれません。
小説や音楽と比べ絵はそれが表現されにくい部分もあるかと思います。直接的に、たとえばムンクの叫び、病める子のような作品は別として、風景のみを描くとき、見る側としては一連の作品を見て作家の個性としてのみ捕えるかもしれません。
テレビで鈴木 保奈美主演のテレビドラマ「恋人よ」の再放送を見ました(近年自殺した
野沢 尚 の脚本)。連続ドラマの第一回目、続きも見たいしビデオがあれば買いたいと感じます。で、その触りを...結婚式場のホテルの庭でこれから3時間後に式を挙げるという見知らぬ男女が知り合います。男は結婚しようとする相手に「お腹の子供はあなたの子供ではないかもしれない」と言われています。女は結婚する相手また自分にも疑問を持っています(「恋人よ」第1話で鈴木保奈美と岸谷五朗が飛び込んだ池がこの『甘泉園』にあります )。そんな二人が悩んだ末、もともと決まっていた相手と結婚する。しかし、結婚半年後会いましょうと約束する、結婚後半年近くなって隣にその女が夫と引っ越してくる...このとき、「連ドラ」とは知りませんでしたので、結婚後幸せになるか不幸せになるかずーっと見る見られる生活とはとどうなるだろうと思いました。ところがこの作品はもっと続きもので不幸な結果に終わるということをINで知りました。心の傷は何年も後でひょいとでるかもしれません。それにしても続きの見たい作品です。内容はよくわからないけれど、こんな感想を述べている人もいました。
(http://www.oct.zaq.ne.jp/sun/koibitoyo.htm)
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