■ショップ沿革 |
1971年、オーナーの紀藤雅彦は生まれ育った東京・大田区に「ザ・サーフ」という名の、コーヒーショップを兼ねたサーフショップをオープンさせる。
一杯130円のコーヒーと、サーフボード5〜6本にT−シャツ30枚程を置いた小さなショップであった。
コーヒーショップを兼ねたサーフショップという当時ではとても珍しいスタイルに、昼は多くの方がランチを食べに訪れ、夜は地元の若者が足を運び、その独特な雰囲気を醸し出す店内はいつも熱気に溢れていた。 |
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当時の日本には、まだサーフショップが数件しかない時代であり、サーフィンというスポーツはまだまだほんの一部の間でしか普及していなかった。そこでサーフィンをもっと多くの人に知ってもらい、さらにそれをライフスタイルとして取り入れてもらおうと考えた紀藤は、サーフィンの先進国であるアメリカのサーフカルチャーに着目し、単身カリフォルニアへ渡る。
その当時のウエストコーストの若者たちは、すでにサーフィンを中心としたそれぞれのライフスタイルを確立していた。 |
この自由でありながら確立されたカリフォルニアスタイルを、8mmフィルムの映像、写真、道具といった様々な形で、自らのサーフショップをベースとし、日本国内へ発信し始めていった。中でも、katin、O`Neill、Vansなどのブランドはその代表である。
紀藤によってカリフォルニアから送られてくる段ボール箱の中は、いつもサーフィンの未来と夢が詰まっていた。 |
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また同時にアメリカのスケートボードブームを持ち帰り、日本での第一期スケートボードブームを巻き起こす。日本人初のプロスケートボーダー・アキ秋山(大田区出身)を誕生させ、ザ・サーフは彼と共に日本のスケートボードを開拓していった。
紀藤の持つスタイルは、周囲に多くの影響を及ぼしていく。
常にウエストコーストのサーフスタイルを紹介し続け、時に若い日本人サーファーをカリフォルニアへ招いては、直接本場のサーフィンの技術や文化に触れさせる。 |
そこから多くを学び取り、成長した若者達は、プロサーファー、シェーパー、カメラマンなどのサーフィンに携わる多くのジャンルへと巣立っている。中でも、現在の日本を代表するプロサーファー・糟谷修自、今村大介などはその筆頭である。 |
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そして紀藤は、80年代初頭に頭角を表し始めたトム・カレンと親交を深め、ザ・サーフのライダーとして迎え入れる。
80年代中期ニ度の世界タイトルを掴んだトム・カレンの活躍は、ザ・サーフの名を一気にインターナショナルなサーフシーンに押し上げ、同時に世界のカリスマ的サーフヒーローとなったトム・カレンの存在が、それぞれのサーフィンに対する姿勢、思想などのサーファーとしての本質的な部分を多く吸収することにつながっている。 |
これからも、カリフォルニアのサーフスタイルを伝え、日本のサーフシーンから生まれる独自の文化を大切にし、多様化するサーフィンライフをサポートするために情熱を燃やしていく。 |