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園教育の特色!

子供の世界
logo「故・松谷みよ子氏」講演会感想

絵本作家「故・松谷みよ子」氏の講演会の内容についての参加者の感想をを取り上げました。

   
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 物語の内容を字をただ読むだけではなく背景を深く掘り下げていくことの大事さや、子ども達に語り継ぐ中でどうしても楽しい本を与えがちですが、“戦争”や“いじめ”問題などもきちんとまっすぐに語り伝えていく大事さを実感しました。「語りは言葉の母乳」という言葉を教えて頂き、心の栄養として子ども達に伝えていく重要さを改めて実感した素晴らしい講演会でした。毎晩読み聞かせしている本も、これからはまた違った視点で伝えていけると嬉しく思っています。本当にためになりました。
焦らずに、あまりこだわりすぎてイライラしないように心掛けました。それから、心から我が子を愛していることを子どもに伝えるように表現することにも気を配りました。例えば「大好きよ」とか「可愛いね」とか、口に出して伝えたり、ギュット抱きしめたりすると、子どもはとても良い笑顔を返してくれます。そういう安心感がオムツはずしでも、食事の好き嫌いにしても、物事を良い方向へと導いてくれるのではないかと思っています。他人の子どもと比べると、親としてはとても焦ってしまいます。ですから、昨日の我が子と今日の我が子を比べて、成長できたことを誉めてあげることが一番だと思います。大人だって誉められると嬉しいですよね。
私にとっては、松谷先生は絵本を通してでしか、お会いできない、そう、雲の上の人で直接お話が伺えるなんて夢のような二時間を過ごさせていただきました。
 先生が仰っていた三つの民話(昔からの民話、我が家の民話、現代の民話)をどのようにして子ども達に語り継いでいくか、漠然とした私の悩みでした。絵本はたくさん読み聞かせてきました。(男児二人)しかし、気がつくと子ども達は、昔話を知らないのです。私が子どもの頃は、当たり前のように手に届くところに昔話があったのに、今は大人である私たちが意識しないと、それらの話に目を向けることがないのです。戦争のお話にしても同じことが言えます。
  夏が来ると、毎年の様に戦争を語り、戦争に触れることがあったのに(子どもでも)今はどうでしょうか。今年の夏には、小三の長男にと「かわいそうなぞう」と「ちいちゃんのかげおくり」の二冊を求めました。彼の心に、戦争がどう映ったのか、「どうだった?」と聞くと「かわいそうだった」という答えが返ってくるだけでした。戦争体験者でない私も、それ以上を息子と語ることができずにおり、子どもばかりを責めることはできません。
  先生のお話を伺い、ひとつだけ心に決めたことがあります。でも時が来たら、子ども達はありのままを受け入れてもらうよう、その機会を私自身で作っていこうと思っています。「わたしのいもうと」…メッセージを伝えるお話でした。胸に重いものが乗った感じがありました。先生のお声が残っています。ありがとうございました。
 遠い昔の民話、我が家の民話、現代の民話という三つの柱でお話し頂き、昔の民話では“舌切りスズメ”や“かにこそこそ”等書かれた背景には、人間のどろどろしたものがあったり、地形の変化、祖先の歴史等が人の口々に伝わる時、民話という形で後生に残っているという事実を知って子どもたちに読んで聞かせるのは面白いと感じました。我が家の民話では、子どもの楽しい会話を本という形で残せる先生を羨ましく思いました。我が家でも息子が時々面白いことを言って楽しませてくれます。その時々が、お話として記憶の一ページのように残せたらと思っています。
  現代の民話として、私たちの時代を後世に残す上で、戦争は今も世界のどこかで行われ続けています。私たちの世代は戦後の豊かな時に生まれ育ってきました。戦争の話を聞いても体の中に入ってきません。人間は同じ体験がなければ強い共感を受けないので、遠いどこかのお話にしか感じられません。五木先生が先日出版された本は、戦争でお母さんが体験した事で、あまりに辛く今まで書けずにいたが、やはり書かねば伝えていかなければという思いで書かれたと聞きました。その時に“人間は苦労は買ってでもしろというが、本当に辛い事や苦労は、しなければそれにこした事はない”と言われていました。現代の日本の子どもたちに飢えなどの苦しみはなくても「戦争は差別から生まれる」と言われた女の子の言葉のように、差別からなる“いじめ”や幼児虐待など、苦しんでいる子どもたちがいる事実を重く受け止めたいと思います。
 “語りは心の母乳です”という言葉を忘れない様に、質の良い母乳が出るように、母の努力も必要だなぁと思いました。この言葉は、子どもの為のようにも聞こえますが、語る時の幸せ、母乳を飲まれる時の幸せを思うと、母が幸せを感じるために語っていくと、子どものために!と、肩に力が入って子育てをしているお母さん達には、すごく楽になって、子育ての楽しさを味わえるのではないかと思います。
今日はとても有意義な二時間を過ごす事ができました。ありがとうございます。また、先生のお話をどこかで聞ければ幸いです。
 民話というものは、その話の出来た背景を知れば、また違う観点で見えてくれるものがあると思いました。「今、何を語り継ぐか」このテーマでどんなお話が聞けるのか楽しみにしておりました。私も現在、中三の娘に何を残すべきか語っていくか考えています。
  命を考えたとき、身近に沖縄戦で亡くなった人がいるので、沖縄に子どもを連れていきました。戦争の悲しみを伝え、平和の有り難み、生きていることの幸せが、人への思いやりへとつながると思います。
 現代の民話は、ストレートに伝えなくても、形を変えて人間にとって一番大切なことを伝えていく必要があると思いました。やはり無知は罪だと思いました。松谷先生、今日は貴重なお話本当にありがとうございました。
  幼稚園で子どもが選んで借りてきて以来、親子で「ももちゃん」のシリーズにはまっていました。死神や雪女、ウシオニに二人して手を握りあい、震えあったり、日々の生活にプーのしゃべりかたの真似っこが出てきたり、靴下とおしゃべりしてみたり、思い入れ深いこと限りない作品です。そんなお話を書かれている方とは…はるか向こうの方にいらっしゃる方なのかと思っていましたので、今回の講演会は興味津々、素晴らしい機会でした。話される言葉の美しいこと、きれいなことに感嘆しました。
 いろいろなことを深く、きちんとみつめて考えること、それを自分の言葉で正面を向いて話すこと、なんとも心地よく胸をついてくるものなのかと思いました。講演の内容もさることながら、松谷みよ子氏の凛としたお話ぶりに圧倒されました。ともすれば、やさしくほんわかした絵本ばかりを選びがちだった母(私)に対して、幼稚園では昔話や民話を選んでくることも多い我が息子です。今回のお話で、民話の持つ奥深さやおもしろさに開眼した思いです。つとめて読み聞かせしていきたいものだと思います。時々、ふとんの中で作り話を聞かせます。「それで?」「それからどうなったの?」「それって本当の話なの?」「ねぇ、今考えてるの?」子どもの反応を見ながら話をつなげていくと、何となく尻切れとんぼだったり、不如意な結末となりがちです。色々なお話に触れて引き出しを増やし、是非とも即興創作の技を磨きたいものだと…不遜なことを考えました。
とても楽しかったです。ありがとうございました。
 「語り」の持つ力のすごみというのを感じました。
なぜ戦争はいけないのか、なぜいじめはしてはいけないのか、などと説明されるより、松谷先生が中国や日本で聞いた話、「わたしのいもうと」の語りは、理屈ではなく体でわかる気がしました。
「民話に説明はありません」とおっしゃっていましたが、説明がないからこそその話の舞台となる土地の風景のことや、語り手の声音や雰囲気から感じられる何かなど、ひっくるまって伝わって、聞き手の心に話の内容以上のものをいろいろ感じさせるのだと思います。
 普段何気なくやっている子どもへの読み聞かせにも、こういった力があるのか、と見直しました。

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