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                                                                     「絵画に対するさまざまな意見トップ」    2005/08/03

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世界37美術館の作品展示

chiekoandtosio

知的興奮状態まださめやまぬまま、報告したいと思います。「女性美の500年」は三宮フラワーロードを南に徒歩で10分ほどの関西国際文化センターというところで開催されていました。まず、新聞でイワン・クラムスコイの「見知らぬ女」の絵をみて目が釘づけになりました。本国のロシアではモナリザより人気が高く、美術館に彼女がいないと、「どこへいった?いつ帰ってくるのか?」と、うるさいらしいです。

「 見 知 ら ぬ 女 」

その絵1つだけでも価値があると思っていたのに、他にも過去に本で見入った絵が多数ありました。イワン・ニコラエビッチ・クラムスコイの「月夜」、 ジョゼフ・デジレ・クールの「リゴレット」。さらに、嬉しかったのはゲオルグ・ラープの“ルビーのあるドレスで正装をした”「皇后エリザベート」です。昨年彼女に興味を持ち、伝記を何冊か読みました。興味は彼女の悲劇的な生涯もさることながら、本に記載されているいくつかの肖像画にもいきました。描いた画家はきっと楽しかったにちがいありません。彼女の美しさを最大限に引き出す創意をめぐらし、思い通り完成したとき、自身至福だったことでしょう。それほど素晴らしい作品でした。他にもウイリアム・ラルキンの「ドロシー・キャリー夫人」の衣装描写には驚愕です。写真以上なのです。絵具の色も300年前なのに今日以上のバリエーションがあります (だだし彼の絵自体は私の好みではありません)。どれもこれも素晴らしいものばかり、おもわず柵をのりこえ、係り員の人に注意されそうなことも何度かありました。勿論、「見知らぬ女」にはやっと逢えた...恋人以上、以下? 白矢さんを羨ましがらせて申し訳ないけど、衣服の黒の表現は絶妙でした。天気もよく、帰りは街をぶらぶら、以前入って美味しかった中華店で遅いお昼をいただきました(焼きそばが安くておいしいのです)。神戸の街はすっかり元どうり、いやもっとおしゃれな街になっていますね。少なくともメイン通りではそうみえます。大阪は芸術文化の意識が低く、あまりいい絵画展が開催されません。ですから、しょっちゅう京都、神戸、奈良にまでいかなくてはならないのです。東京でお住まいの方はいいですね。今度も上野公園で「プラド美術館展」がありますよね。話題のベラスケス、ルーベンス、ゴヤ etc もし、観にいかれたら、感想を教えてください。以上報告ます。




月 夜

白矢

文以上の感動をお伝えできないのが残念ですが。クラムスコイのその絵には私も衝撃を受けたことがあります。確かその絵は「忘れえぬ女(ひと)」という題で25年程前にも来たと思います。黒いコスチュ−ムの女性が馬車に乗っていて遠く建物が霞んでいるという。私もロシア・旧ソビエトの絵のリアリズムとレベルの高さには敬服し、日頃関心を持つようになってきております。私の好きな美しい神戸の町にいい絵が来てくれてありがとう。 chiekoandtosioさん!私の分まで楽しんでいただいて感謝します。イワン・クラムスコイの「見知らぬ女」を本で見ながらレスさせていただいています。ロシアの人々がこの女の人に持つイメージは2つあるそうです。ロシアの詩人の書いた詩の一節、酒場の騒がしさの中に、夜毎あらわれる、暗いベー ルの「見知らぬ女」、羽飾りの帽子、立ち込めた霧...こんな感じの女性のもう一人はアンナ・カレニーナ。イワン・クラムスコイはトルストイに会って彼の肖像を書いています。「見知らぬ女」の表情にいろいろの思いを取って見れそうです。私は学生時代ドイツ語の授業で読んだ「見知らぬ女の手紙」の女性のイメージを思い浮かべます。この小説でずいぶん泣きました。ドイツに行ったときはこの女性が住んでいた感じのアパートを探したことがあります。見知らぬ女にこんな表情で見つめられると、私ならおどおどしてしまいます。25年前もきたことがあるんですか?そのときはそう呼ばれていたのですかね?どうして題名が変わったのでしょう?「見知らぬ女」とは少しニュアンスがちがってまた別な趣がありますね。どちらがぴったりくると思われますか? asyuranoteさんが女性を描くのを断念したいわくつきの絵とは、おどろきました。 わたしは不遜にもこういったタッチに近づきたいと目をこらしてみていましたから、楽天的思考の持ち主です。

「レデイ・ジェイン・グレイの処刑」

そうそう、ポール・ドラロシュの「レデイ・ジェイン・グレイの処刑」。これも本でみて忘れられなかったのですが、展示されたいて、とても驚きまし た。taicykさんの「ひまわり」をみせていただいたばかりなので(素敵×2)。レズリーの「ひまわりと夕顔」も一番ひまわりに目がいきました。この絵はまさにタイムリィ。窓辺の2人が柔らかい陽を浴びながらひまわりをいけているところを描いたものです。因みに花は2種類で1つはサンフラワー、もう1つは忘れました。 鑑賞の余韻が残っているうちにわたしも絵仕上げます。あと女性の真珠を残すだけです。仕上がったらお見せしたいのですが、肖像権がありますので(お二人の了承が問題)。多分無理だと思うのです。写真は撮っておくつもりですが。三越で開かれた「ロシア・ソビエト国宝絵画展」に「忘れえぬ女(ひと)」の題で来ました。私に人物画を断念させた絵です。(笑)

「 待 つ 」

この時一緒に来たピメノフの「待つ」という絵は、私の好きな絵のベストテンに入る絵で、今話題の出窓のようなところに、受話器が外れている電話が描かれ、外は薄暗い雨模様というそれだけの絵です。 『ソビエト』や『社会主義リアリズム』に対する偏見を思い知らされただけでも印象的な絵です。因みに、この展覧会に協力してたのはG荘という、東ヨーロッパ美術紹介など日本では珍しいコンセプトのはっきりした画廊で、イコンなどでも勉強させて もらいました。経営者は某有名女流ピアニストのお母さんです。chiekoandtosioさんのなぜ題名が変わったか、私も疑問に思いました。日本では「忘れえぬ女(ひと)」。通りで見かけた印象深くわすれられない人。愛する人が何も言わず去っていく。日本ではこの題名が使われたそうです。ロシアでは、この女性と同じ服装をした女性を歌った詩のタイトル、「見知らぬ人」が一般的になったそうです。asyuranoteさん人物画を断念させた絵、最初は顔に視点がいっていましたが、よく見ると、帽子や襟巻きのすごさ、驚きです。この絵をご覧にならなければ asyuranoteさんは人物画を描かれていたかもしれないと思うと複雑な気持ちです。ピメノフの「待つ」という絵は私の画集に見つけることができませんでした。お話か電話中に、遠いところから長年会えなかった愛する人が窓の外に、見えたのでしょうか?彼女は受話器をかけず薄暗い雨の中へ飛び出していく、こんな風に想像します。ロシアの美術はよく知らないのですが、きっとすばらしいものがいっぱいあると感じ ました。ポール・ドラロシュの「レデイ・シェイン・グレイの処刑」。この女性はヘンリー8世の妹の孫で17歳、イングランドの王位に9日間ついたそうである。夏目漱石のロンドン塔にも描かれています。私は残念なことにナショナル・ギャラリーを見て回ったのですが、見落としていたようです。絵としてよりも、これからこの美しい女性に起こる運命を考えさせ、暗い気になります。服、木、わら、全てが本物のようです。レズリーの「ひまわりと夕顔」...見てみたいです。窓はどんな窓だったのでしょう。きっと幸せなふたりの一番幸せなときが描れているのではと思いえがいております。




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