インダストリー委員会の趣旨と活動目標
インダストリー委員会の設立趣旨
今日、日本の食品産業はグロ-バル化の時代を迎え、広く開かれた視野と総合的な技術力の向上を求められており、食品産業に携わる技術者の役割はますます重要なものとなりつつある。しかしながら、食品産業に限らず、日本の技術者は企業内業務に専ら活動の場を限定している場合が多く、技術者が連携して食品産業に必要な広い視野からの活動テーマを設定し、さらにはその活動を通じてエンジニアリングの視点からの提言を行うことは、食品産業の経営戦略の上からも重要な意義を有するにもかかわらず、現実にはそのような活動の場はほとんど存在しないのが実状である。
一方、大学を中心とする学界の分野でも、研究者は、学会研究者同志の交流に重点を置くことが多く、産業界との交流、さらには実社会との関連の中から研究テーマを発掘するような努力には必ずしも力点をおいてこなかったことも事実である。従って、これまでのわが国における既存学会はともすると、学界が活動主体となり、産業界は副次的な参加にとどまっていた。しかしながら、欧米において学会は学界と産業界との協力により、より開かれた実質的な活動を展開し、社会に対する情報発信をしてきており、われわれはこのような動きに大いに学ぶ必要がある。
日本食品工学会は産業界と学界との連携による実質的な活動をその設立趣旨の1つとして設立された学会であり、上記趣旨を実現するための産業界からの提案を実現するための組織としてインダストリー委員会が設けられた。すなわち、本委員会は、日本食品工学会において産業界からの発想で企画した活動を行うことによって総合科学としての食品工学の発展に寄与し、このことを通じて日本および世界の食品産業の発展に寄与し、さらには人類の健康で豊かな生活に貢献することを目的とするものである。
インダストリー委員会の活動内容
本委員会は、日本食品工学会の学術活動理事会の下部機関として、上記趣旨に基づき、以下のような活動を行う。
- 産業界の技術者が活発なコミュニケーションできる場を設け、相互の情報交換と取り組むべき課題を明確にしていく。具体的には、会員相互のコミュニケーションの場をインターネット上に設立、学会ホームページ上での情報発信、学会誌でのインダストリーコーナーの設置等に取り組む。
- 産業界が今後必要な学界の最新情報を入手、整理、会員に紹介する。具体的には講演会、セミナー等を委員会で企画、開催する。
- 産業界が単独企業で取り組めない共通に必要な活動を、学界と協力して進める。具体的には、EHEDGなどの調査研究活動を進める。将来的には公募制による産学共同研究プロジェクト事業も視野にいれる。
現在の具体的な活動計画
- 国際食品工業展における技術フォーラムの実施(開催案内参照)
- 日本食品工学会年次大会におけるシンポジウムおよびインダストリアルプラザの企画と実行
- 日本食品工学会誌におけるインダストリー委員会企画コーナーの設置
- 研究会実施:現在、テーマ検討中
- 食品産業における技術表彰制度の支援
- 現場若手の技術者に役立つ本の出版企画等